【圧縮木材とは?】

 山を見れば、木はたくさん生えています。
 日本の森林率は約68%で先進国の中でも世界有数の森林率を誇ります。


 

 戦後の植林によってもたらされた豊かな森林が今まさに伐採期を迎えていますが、日本の木材自給率は約3割で、残りの約7割が輸入に頼っている状況であり、日本の木が十分に使われていないのが現状です。

 間伐も含め、伐採されずに放置された森林は荒廃し、土砂災害を招くなど、私たちの生活を脅かしかねません。

 

 そこで、私たちは木材圧縮技術によって日本の木材の有効活用に取り組んでいます。
 木材を顕微鏡でみると、ストローをたくさん束ねたような中空構造になっています。
 これを圧縮することによってその構造がつぶれるため、圧縮された木材は密度が高くなり、硬くなります。

 日本に多く植されている杉や桧(ひのき)は、木材の中では比較的軟らかいため、圧縮して硬くすることによって、これら日本の木の用途が広がることが期待されます。
 

 さらに、私たちの木材圧縮技術を応用し、木材を硬くするだけでなく、特殊な加工によって柔らかくすることもできます。

 このようにして曲がるようした素材をLIGNOFLEX(リグノフレックス)、硬くした素材をLIGNOTEX(リグノテクス)と名付け、新たな用途開発を進めています。

いずれの名前に共通している”LIGNO”は、木を意味するラテン語”lignum”が由来です。
 LIGNOFLEXの”FLEX”は、柔軟であることを意味する”flexible”から名付けておりこちらは木材では考えられないほどに曲げることができます。

 LIGNOFLEX(リグノフレックス)は、特殊な圧縮加工を施すことによって木材に柔軟性を付加した素材です。木目に沿って曲がります。
 

 圧縮加工の際には化学薬品を一切使用しておりませんので、木材の香りや質感はそのまま愉しめます。
 これまでに名刺入れやシステム手帳のカバー、靴べら、スマートフォンのケースなどにLIGNOFLEXが使われています。
 特許取得済みのLIGNOFLEXは、国産木材(スギ)の活用が可能です。


 

 LIGNOTEX(リグノテクス)は、木材を圧縮加工して硬質化した素材です。
 LIGNOTEXの”TEX”は、技術を表すテクノロジーや、きめや手ざわりを意味する”texture”から名付けています。

 圧縮加工の際の熱によって深みのある色と、圧縮による緻密化した年輪が高級感をもたらします。
 また、圧縮率に応じて密度や強度を変えることができます。

 一般的には床材や家具用の材料に使われることの多い圧縮木材ですが、弊社ではスピーカーのボディ(エンクロージュア)などのパーツやゴルフのパターヘッドにLIGNOTEXを使用しています。
 LIGNOTEXは、ヒノキやスギなどの国産木材の活用が可能です。

 なお、私たちの木材圧縮技術においては、化学薬品を一切使用せず、水蒸気と熱とプレスの力だけで木材を圧縮しますので、人にも環境にもやさしい素材と言えます。